豆知識

補聴器外来について

◆当院の補聴器外来

聞こえが悪くなった、言葉が聞き取りにくくなった、周囲の方から聞こえが悪いと指摘され、補聴器の希望のある方を対象に、予約制で補聴器外来を実施しており、補聴器装用に関するご相談を承っております。

当院ではまず診察を行い、耳の状態や聴力の程度を確認、補聴器の適応があるか、補聴器の装用効果が期待できるか診断します。

補聴器外来では、当院の言語聴覚士、認定補聴器技能者(補聴器専門店が当院まで出張して対応します)が、補聴器の説明や調整、試着、試聴を行います。

難聴は年齢とともに進行することが多く、特に高齢者にとっては生活の質(QOL)を大きく左右する問題です。

最近では難聴と認知症との関わりが指摘されており、認知症予防の見地から補聴器の装用が注目されています。

当院の補聴器外来では、患者様の聴力状態を的確に評価し、最適な補聴器を提供することで、より良い生活をサポートします。

 

<医療機関での補聴器外来のメリット>

耳鼻咽喉科での補聴器外来には、以下のメリットがあります:

  1. 診察で聞き取りにくい原因を診断、聴力検査にてその程度を調べることができます。
  2. 補聴器装用による聞こえの改善の程度を検査で確認できます。

一般の販売店では、難聴の原因を診断することは難しく、検査体制が不十分な場合もあり、ただ耳垢が詰まっているだけでも補聴器を勧められることもあります。

適切な補聴器を選ぶためには、検査や的確な診断、補聴器の試用を繰り返すことが重要です。

補聴器は購入後も定期的な調整が必要で、難聴が進行した場合や、聞こえ方が変化した際には、聴力検査を行い、補聴器の再調整を行い、最適な状態に保つ必要があります。

当院では、厚生労働省主催の補聴器適合判定医師研修会を終了し、補聴器相談医でもある耳鼻咽喉科専門医による診断と、聴覚、補聴器に精通した言語聴覚士、認定補聴器技能者による丁寧なサポートを提供します。

 

<補聴器の選び方>

補聴器には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。そのため、患者様のライフスタイルや予算に応じた最適な補聴器を提案しております。

以下に、主な補聴器の種類と特徴を紹介します:

  • 耳かけ型補聴器:耳の後ろに装着し、音質が良く、操作が比較的簡単です。

中度から高度難聴に対応し、最近は小型化が進んでいて、あまり目立たず、主流となっています。

  • 耳あな型補聴器:耳の中に装着し、目立ちにくく、メガネや帽子と併用可能です。軽度から中度難聴に対応しますが、小型で装着が難しい場合もあります。
  • 箱型補聴器:高出力で操作が簡単です。耳と離れた場所にマイクがあり、話者に近づけることもできますが、ポケットなど入れた場合、衣服の擦れる音をひろうこともあります。

補聴器の価格は片耳で10万円から50万円以上まで様々です。

難聴や聞き取りの検査の状況や予算に応じて片耳または両耳装用を決定します。

 

◆補聴器外来の受診について

当院の補聴器外来は完全予約制です。

まずは通常の診察を受けていただき、耳や聴力の状態を確認した上で、補聴器の希望があり、使用による聴力改善が期待できる方にご案内しております。

補聴器外来をご希望の方は、通常の外来を受診し、補聴器の使用を検討している旨をお伝えください。

 

<補聴器外来受診の流れ>

  1. 補聴器外来受診:言葉の聞き取りの検査を行い、補聴器装用前後の聞き取りやすさを比較、補聴器の装用効果を判定します。
  2. 補聴器の試着、フィッティング:検査結果を基に、聞こえの程度や使用環境に合わせて補聴器を選び、調整します。
  3. 補聴器の貸出・試聴:日常生活での効果を試すため、1〜2週間程度、補聴器を無料で貸し出します。
  4. 補聴器の調整(2回目):試聴中の効果を確認し、調整を行います。他の補聴器を試すことも可能です。
  5. 補聴器の再調整(3回目以降):3~5の期間(約1〜3ヶ月間)、補聴器を試し、購入を検討します。
  6. アフターケア:定期的な耳鼻科診療と補聴器のアフターケアを行います。

聴力検査を1年に1回程度行い、難聴の進行がないかを確認します。

 

◆補聴器外来をご希望される方へ

まずは通常の外来を受診してください。

耳内の診察、聴力検査を行い、補聴器外来(火曜日午後、木曜日午前に実施)を予約します。

 

◆助成制度について

高度難聴レベルに達している場合、身体障害者認定を受けることで、補聴器購入時に補助を受けることができます。

当院は診断書、意見書を作成できる身体障害者福祉法第15条の指定医となっています。詳細はお住いの自治体にお問い合わせください。

札幌市では子どもの補聴器購入費の助成があります。

詳細はこちら:

https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/documents/nanchojihochoki.html

 

難聴、耳の聞こえでお困りの方、補聴器の購入を検討されている方は、札幌市の耳鼻咽喉科 あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニックにご相談ください。

 

監修 札幌市東区 あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 院長 安部 裕介

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