「鼻出血(鼻血)」のお話
■鼻出血(鼻血)とは
外傷や、鼻の中への刺激、炎症などにより粘膜が傷ついたり、血管が切れることで発症します。大半が鼻の入り口の内側の部位(キーゼルバッハ部位)からの出血です。
■鼻出血(鼻血)の原因
・鼻の中を触ったり、鼻を打撲したりすることなどの機械的な刺激によるもの
・アレルギー性鼻炎・花粉症や副鼻腔炎や風邪などの炎症により鼻水が多い場合
・左右の鼻を隔てている鼻中隔が曲がり、突出した部分の鼻粘膜が薄くなり、出血しやすくなっている場合
・鼻や副鼻腔の腫瘍、特殊な炎症、オスラー病という難治性の病気によるもの
・白血病・血小板減少症・血友病などの血液疾患、肝臓疾患などの出血しやすい病気に伴うもの
・高血圧など血圧が高い場合
・血液を固まりにくくする薬を服用している場合
・原因が不明の場合もあります
■鼻出血(鼻血)の症状(程度)
・鼻出血の多くは圧迫止血(綿花を鼻に挿入、指で小鼻を両側から圧迫する)によって15〜20分程度で止まりますが、稀に動脈性の出血の場合、鼻の後方からの出血の場合は、圧迫止血が難しいことがあり、病院での処置が必要となります。
■鼻出血(鼻血)の初期対応
・椅子に座りあごを下げて顔がうつむいた状態で鼻に綿花を挿入、小鼻を両側から15~20分程度圧迫します。
・のどに落ちる血液の塊は優しく舌で前に送り、テイッシュなどでぬぐいましょう。血が固まりおさまりか けているので、無理に取ろうとしないでください。それでも止血しない場合は耳鼻科を受診してください。
■鼻出血(鼻血)の診断
・鼻内を観察して診断しますが、出欠部位の特定のため鼻のファイバーやレントゲンで診察することもあります。
■鼻出血(鼻血)の耳鼻科での治療
・止血効果がある薬品を含んだガーゼを鼻に詰め、状況によっては血管を焼いて止血します。
・ガーゼや、鼻の奥の部位を圧迫止血することができる材料を挿入した場合、入院となる場合もあります。
■鼻出血(鼻血)のその他注意
・まずは落ち着いて圧迫止血を試みましょう
・鼻の中をさわったり、ほじったりすることを控えて下さい
・お風呂やお酒などは控えましょう
・ティッシュは出血部位を傷つけることもあるので、綿花を用い、異物にならないよう大きさに注意しましょう
・鼻以外の出血もある場合は、内科(血液内科)や小児科などで血液の状態を診てもらいましょう
・首筋をとんとんたたくことは間違った対処法です
札幌市東区 あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 院長 安部 裕介